昔ぁーし昔、あるところに、トロンボーンを吹くことが大好きな少年がいました。
最初は音がでるだけで楽しくて楽しくてしょうがなかったのですが、自分の好きなメロディーが吹けるようになると、もっともっとかっこ良く吹けるようになるためには何が必要かと考えだしました。
「そっかぁ。ぼくの演奏、ちょっとオンチっぽいぞ!!」
そこで少年は少ないお小遣いをコツコツ貯めてチューナーというものを買いに行きました。
それからというもの、練習の時は必ずチューナーとにらめっこしながら自分の音程を確認して練習していました。
そんなある日、お客さんを前にしてステージに立つことになりました。
毎日毎日ひたすら練習した自慢の曲。
当然、かっこよく暗譜(楽譜を見ない)で演奏です!!
いざ、最初の音を出した途端、
「あれ??今出した音、音程大丈夫なのかな?」
そう思い始めた途端、不安で不安でしょうがなくなり、演奏どころではなくなり音を出すのもやっと。
当然ボロボロの初舞台となりました。
それ以来、少年は練習の時だけでなく人前で演奏する時でもチューナーを目立たないところに隠し、覗き見しながら演奏するようになりました。
最初は長く伸ばしている音がチューナーを見て合っていると安心出来ていたのですが、そのうち細かい音符があっているかどうか気になって気になってどうしようもなくなりました。
しかし、どんなに最新鋭のチューナーをもってしても演奏しながら全ての音程を確認することは不可能です。自分の出している音が合っているかどうか確認出来ない!!
少年はその不安のあまり、音を出すこと自体が不安で不安でどうしようもなくなり、トロンボーンを持つだけで体が震えてしまうようになりました。
そして最後にはあんなに大好きだったトロンボーンが吹けなくなってしまったとさ。
とっつぱれ(おしまい)。
*良い子の皆さん、チューナーの使い方には十分注意しましょう!!
0 件のコメント:
コメントを投稿